スタッフ暁子です。

今回、2020年モデル「Top Fuel9.8XT」を購入し、初乗りがロトルアのトレイルになりました。

10日間トータルで約350kmほどを乗り、シェイクダウンとしては最高の環境でした。私なりの感想を書いてみます。TREKのフルサスバイクをご検討の方の参考になれば幸いです。

2020年モデルは、ジオメトリーが従来のXCバイクよりも下り寄りになったにも関わらず、「登る」バイク、という印象が強かったです。

ヘッド角が寝て、シートチューブ角が立ち、フロントフォークのオフセットも小さくなった最近の流行りのジオメトリー。元々乗っていたのが2012年モデルのSuperfly100Eliteで、8年の開きがどういう感じなのか興味深々でした。

ジオメトリー比較。左Superfly100Elite、右TopFuel9.8(MinoLink:Low)です。(以下、旧SF、新TFと略します。)
サイズは旧SFがL、新TFはML。

  • シートチューブ長   48.3    44.5
  • シートチューブ角   73.6    75.0
  • ヘッドチューブ長   12.5    9.0
  • ヘッドチューブ角   71.0    67.5
  • トップチューブ長   61.7    61.5
  • BB高         32.5   33.7
  • チェーンステイ長   45.2    43.5
  • オフセット       5.1    4.4
  • トレイル        7.4    10.7
  • ホイールベース    113.9    116.8
  • フレームリーチ    43.3    45.6

サイズが異なる比較になりますが、新TPはフレームリーチが長く、トップチューブ長はほぼ同じ。ステムは旧SFで使用していたLINE PROを移植したのでステム長同じ。ドロッパーは125mm→150mmになりましたが、シートチューブが短くなったためサドルを上げた時のサドル高も大体同じです。しかし初乗り時の感覚は、新TFは小さく、ハンドルが低く、ハンドリングもクイックに感じました。
(新TP、旧SF共に、ハンドル位置は一番高いセッティングです。フォークトラベルが伸びたとはいえ、ヘッドチューブ長がかなり違うのと、ヘッド角が要因かと思います。)

MINOLINKはLOWに設定。これによりヘッド角が0.5度寝て、BB高が6mm下がります。より下り向きのジオメトリーになるので、下りが下手な私はこのセッティング。

前後サスを同時にロックできるTWISTLOCは、ロックを使用しないので外しましたが、サスのロックアウトを多用するならば、とても便利なシステムです。グリップ式なので、ドロッパーのレバーと混同せず使いやすいと思います。

KNOCKBLOCK(TOP FUELはダウンチューブがまっすぐになった為、ハンドル回転時にフォークの肩がダウンチューブに当たらないよう、ハンドル回転角を制限する仕組み)はタイトなコーナーが心配でしたが、全く問題ありませんでした。

実走の時にはこれほどハンドルをきる事は殆どないということですね。
どちらかというと、バイクを降りて押している時に、車体を切り返そうとした時の方が制限を感じました。

新TFは今までTREKがリアサスに採用してきた「Full Floater」が廃され、フレーム直付けになりました。旧SFはFullFloaterではなかったのですが、旧SFの更に前のバイクがFull Floater採用のFuel EX9.0(2008)でした。間が空きすぎているので比較が難しいですが、TREKが最新モデルに「Full Floater」を搭載しないのは、現在のサスペンションの動きが向上した為と説明しています。

実際、動きはとても良く、穴ぼこだらけの路面でもしっかりと後輪が追従してくれました。「FullFloater」でなくなったことのデメリットは感じませんでした。

トレイルに入ってみると、登りはリアサスが踏ん張る感じで、ペダルをこいだ分だけロスなくガンガン登ります。シートチューブ角が立っているためか、身体の位置をあまり考えなくてもバランスが取れる感じです。旧SFの時は、登りは身体の位置を探りながら登っていたと思います。

急な登りも登りやすく感じました。

フロントサスの動きも、インナーチューブ径が32から34に太くなったためか、木の根等にフロントタイヤを当てた時の初動がとてもよく、大きめの障害物に対する恐怖感が少なくなりました。

根っこの登りの怖さも軽減されます。

下りは、旧SFに比べシートチューブ長が短いため、ドロッパーの下がりしろが増え、またホイールベースやトレイル値が増大している分、安定感があってとても楽に感じました。最初に感じたハンドルの低さは、ドロッパーが充分に下がるので全く問題ありません。
TUHOTO ARIKIやHOT X BUNの激下りでは後輪に尻がこすれるほどバイクが傾きましたが、サドルが充分に下がっているので引っかからずに姿勢を維持できました。

ちなみに新TFはリアサスのストロークが5mm増えていますが、ここのメリットは体感ではわかりませんでした。

車体に角度がついても姿勢を維持できるので、怖さが少ないです。

フロントフォークトラベルが100→120mmに増えているのは、荒れた下りでは安心感がありました。ステップキャストフォークなので、ごつくなっても重量への影響は最小限です。

重量は、新TFのメーカー公表値で11,94kg(Mサイズ)です。(ペダルレス、チューブレス、シーラント使用) 
私のバイクはMLサイズ、DEITYのTMACペダル(約430g)と、シュワルベHANSDUMPF(1本850g、チューブレス、シーラント使用)をつけて実測12.79kgなので、充分に軽量です。
旧SFの方がはっきりとしたデータを残していないのですが、パーツ移植後に純正ホイールと古いクロカンタイヤ(シュワルベROCKET RON)、適当なペダルをつけて計ったら12.45kgでした。あまり差はないですね。

ちなみに28Tに交換していったフロントチェーンリングですが、実走行には問題ありませんでした。ただ、リアがTOP寄りになった時のチェーンステーとのクリアランスは本当にギリギリなので、この箇所の養生は必須です。ここまで小さいチェーンリングを選ぶ方は少ないかもしれませんが、32TでもTOP寄りだとクリアランスは少なめなので養生はした方がいいと思います。

この部分です。

以上、実際に2020年モデルTOP FUEL9.8XTに乗って感じたこと、考えたことでした。

全般的に、古いバイクよりも悪くなった部分はありません。フロント多段が好きだったのですが、シングルしかつかない等、変化はありますが、使ってみるとデメリットではないと感じました。下り性能が上がった新型TOP FUELは、軽さを犠牲にせず、XCレースから下り寄りのトレイル遊びまで、かなり多くのジャンルに1台で対応するオールラウンダーバイクだと思います!